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Happy Day

 

穏やかな風が吹く。  
気持ちのいい木漏れ日が降り注ぐ。  
 
ちょっと城から離れた森の中で、二人きりのお茶会。  
 
 
今日は「ニチヨウビ」なので、愛しい少女がこのセフィーロまで自慢の手作りケーキを持って来てくれている。  
 
仕事もちょうど一区切りついたところで  
(本当は彼女が来るこの日の為に無理して書類を片付けたのは内緒である)  
散歩がてら、ここまで来た。  
 
この森は城や村から離れている事もあり、あまり人は来ない。  
ちょっと遠出して散歩する時に良く来るが魔物も見た事は無い。  
 
小川はさらさらと流れ、美しく咲いた花の香りが優しく香る。  
そこに簡単なテーブルと椅子を魔法で出せば、いそいそと嬉しそうに少女がお茶の準備を始める。  
 
 
『今日のケーキはね、ブルーベリーのタルトなの。  
 生地もクリームもかなり甘さ控えめにしちゃったんだけど、どうかしら?』  
と、まだ食べ始めてもいないのに笑顔で感想を問う。  
 
『ウミが作って来てくれたケーキが美味くない訳がない。…これは、見た目も本当に綺麗だな。』  
 
たっぷり盛られたブルーベリーの上には細かく砕かれたゼリーがかかり、ミントまで飾られている。  
売り物だと出されても問題無い出来だ。  
 
ふと見ると、自分の前に差し出されたケーキと同じものが彼女の前にもある。  
 
『珍しいな。甘いものは駄目だからケーキはたべないのではなかったか?』  
 
そう。いつも彼女は皆の為にお菓子を作ってくるが、甘いものは駄目だと言って自分で食べる事はしなかった。  
 
『だって…クレフが一人で食べるのは何だか申し訳ないって言うじゃない。  
 だから、クレフと二人の時は私も一緒に食べる事にしたの』  
 
『いや、確かに言ったが…ウミが嫌な事を無理にする必要はないだろう』  
彼女の言葉に、そこまで自分が気を使わせたのかと思う、が。  
 
『いいのよ。その為に甘さ控えめにしたんだから。  
 好きな人に食べて貰うのに自分で味見も出来ないのって、やっぱり不安だもの。  
 それに、一人で食べるより二人で食べた方が美味しいでしょう?』  
頬を少し染めながらそう言って微笑む彼女はとても可愛らしかった。  
 
彼女が作ってくれたケーキを一口頬張る。  
『ああ、本当に美味しい。今までウミが作ってくれたケーキの中で一番美味しい』  
 
そう言って微笑んだ私に  
 
『よかった』  
と彼女はまるで華が咲いたように美しく可憐な笑顔を見せてくれた。  
 
 
 
穏やかな、優しいひととき。  
 
どうかいつまでも、この時間が続きますように……



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